河内音頭 山昌会
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河内音頭で歌われている歌詞はいろいろあり、各音頭会によって特徴があります。
ここでは
山昌会で歌われている河内音頭の歌詞
をご紹介します。
天野屋利兵衛
天野屋 一
義士名名伝数有る中で 身は町人にありつれど ヨーホイホイ
エンヤコラセー ドッコイセ
心武士にも勝るべし 任侠一代天野屋の 苦心談なるお粗末を 熱と力をもちまして
一生懸命と努めましょう ソラヨイトコサー サノヨイヤサーサ
”こりゃ天野屋、天下法度の夜討ちの道具 そちゃ誰に頼まれこさえおったか
素直に白状致さねばそちの倅 吉松を 火攻めにかけるがこれでもどうじゃ”
”その義ばかりはいか様にも お攻めなされたとても この天野屋 お話しする事相なりません”
もうこれまでとお奉行が がんぜない子の吉松を 火攻めに掛けんとするなれば
伸びた足をば、、、縮かめてー疳高声をはりあげて 坊めはおいたはせぬ程に
おじちゃん許して父ちゃんよ 泣かずに寝ん寝も致します障子の紙も破りゃせぬ
灸三つで堪忍よ 熱いー 熱いー 泣き叫ぶ
天野屋 二
いかに気丈な天野屋も 鬼じゃあるまい 蛇ではないしー 焼野きびす、 夜の露
こけち稲葉のはむけ鳥、 高きいやしきおしなべて
子ゆえに迷わぬ親はなし 胸に焼き金五寸釘
ソラヨイトコサー サノヨイヤサーサ
”許してくれよこれ倅 心で詫びて声荒げ 泣くな嘆くな吉松よー” ヨーホイホイ
エンヤコラセー ドッコイセ
泣けば子じゃない親じゃない そちも利兵衛の子じゃないか、辛いじゃろうが
我慢せえと 両眼とじて天野屋が むごい父じゃと恨むなよ
これも前世の因縁と 諦めくれよこれ倅
お前一人は殺しゃせぬ 父ももろとも死出の旅 父が手を引くゆく程に 無理な事じゃが死んでくれ
ソラヨイトコサー サノヨイヤサーサ
これを御覧のお奉行が、子供不憫と思わぬか これでも白状致さぬか たたき込まれて天野屋は
天野屋 三
河内の守をば めめつけて 町人なれども、天野屋を 思い見込んで頼むぞと
頼まれましたる上からは 例え妻子がどの様な 火攻め水責遭おうとも ここで白状致したなれば
頼まれましたる甲斐がない、天野屋利兵衛は男でござる
死んでも死んでも白状は致しゃせぬ
ソラヨイトコサー サノヨイヤサーサ
所へ駆け込む女房のお律 夫の大事 子の大事 私が包まずお話を ヨーホイホイ
エンヤコラセー ドッコイセ
当時都の片ほとり、あの山科に住まいする 元は播州浅野家の 城代家老の大石と
女の狭い心より言わんとしたる その時に 知恵でかたまる河内の守が 俄に変わる身の素振り
”エイ 黙れ黙れ これお津 女と思い 許しておけば 口から出まかせつべこべと
なるほど利兵衛 そちの申す通り そちの女房は気違いじゃ
天野屋 四
”気違い女のお律めを 引っ立てませい”
”はっ” と答えて下役が ”お律立てと引き立てる、ヨーホイホイ
エンヤコラセー ドッコイセ
ここで皆まで言わせたら、あの山科に住まいする 大石殿に縄かけて あくまで調べにゃあいならん
召しとることは安けれど それでは忠義の邪魔になる
刀さす身は皆同じ 天下の政治も裏表 強いばかりが武士じゃない 後日上よりお咎め有れば
お役御免で事が済む それで足りない その時は、松野河内がただ一人
腹切り死ねば事足りる、人は一代 人の名は 末代までより残るもの、
なんで惜しかろこの命、咲いて牡丹と云われるよりも
散りて桜のエー名が欲しや これがこれが真の大和武士
エーその甲斐ありて極月の中の四日の雪の夜に、ヨーホイホイ
エンヤコラセー ドッコイセ
四十七士のますらおが 所も本所松坂町 吉良の屋敷の裏表、
天野屋 五
表の門から二十三名 裏手の門から二十と四名 同じ形相の勇ましく 山家流儀の陣太鼓ドドドーン
一打ち二打ち 三流れ 墨田の川へとこだまして、 火事よ火事よと 呼ばわりつつ
女子供に目はくれな、切るともとどめをさすなかれ 山と問うたら川と答える合い言葉
恨み重なる上野介を 打ち果たさんと 乱入して さてもその日の面々は、
上は大石内蔵助 下は寺坂吉右衛門 一夜明くれば雪の朝 恨みも晴れて、雪も解け ヨーホイホイ
エンヤコラセー ドッコイセ
見たか聞いたか昨夜の騒動 所も本所松坂町 吉良の屋敷に 浅野浪士が乱入して
表の門から二十三名 裏手の門から二十四名、同じ形装の勇ましく、
目出度く本懐遂げられて 芝高輪泉岳寺 引き上げなさる道中なれ 物見高いは江戸の常
あんな忠義なお方をば
天野屋 六
一目拝にゃ 男と生まれた甲斐がない、
我も行くなら俺も行く、積もり積もった雪の中 蹴立てて跳ねたてまくしたて ザクザクザクザク 行く様子
木場でさえずる雀でさえも 赤穂浪士の頭上にて チュウよチュウよと誉めそやす
ソラヨイトコサー サノヨイヤサーサ
廻り舞台が、キリキリ廻る、ここは西町 奉行所でー、赤穂浪士の討ち入りを
お聞きなされた天野屋は 嬉し涙に頬ぬらし 本懐おとげのその上は 進んで白状致しましょう
有りし次第の物語 お奉行様に申し上げ 重ねて奉行の情け受け
播州赤穂は加賀国に 頭丸めて墨染の 袈裟や衣を身にまとい
切腹なされた人々の おい弔いをしたと云う、
任侠一代天野屋の苦心談なるお粗末も 丁度読み切りつきました
お聞き苦しきその中をようこそ御辛抱いただきました 高座ながらじゃありますけれども
厚く御礼申し上げてそれでは皆様さようなら
ソラヨイトコサー サノヨイヤサーサ
※『天野屋利兵衛』は大坂商人で、赤穂浪士が吉良邸へ討ち入りをするために武器調達などの支援をしたと言われています。